1. まえがき
4次方程式の一般的解法とは別に、私の思いつきの解法を紹介します。
この方法では、2個(双子)の2次方程式を解くことに帰着させるのですが、これら2次方程式の係数を求めるときに、
3次方程式を解くことになります。即ち、3次方程式と双子の2次方程式を解く問題に置き換える方法です。
ちなみに、一般的な5次方程式の解法は存在しません。
2. 解法の方針
次の4次方程式を考えます。
. (1)
これを次の形に変更することを考えます。
, (2)
ここに、
, (3)
および、
. (4)
(2)式は、f(x) に関する2次方程式を示し、f(x) 自身も(3)式のように2次式で与えるものです。
(4)式は、f(x) に関する2次方程式の判別式の条件を次のように与えるためです。
. (5)
この条件により、(2)式の解が次の有理式で表されます。
. (6)
(3)式を上式に代入して、次の2個(複号同順)の2次式を解くことによって元の4次方程式の4個の解を得る、というわけです。
. (7)
残された問題は、上式の各係数 a, b, c, d, e を決めることです。この具体的計算を次節に示します。
3. 係数 a, b, c, d, e の求め方
(3),(4)式を(2)式に代入すると、
. (8)
上式と元の方程式(1)式との比較により、
,
(9)
,
(10)
,
(11)
および、
,
(12)
を得ます。
(9)式より、
.
(13)
(9)式を(10)式、(11)式、(12)式の各々に代入すると、
,
(14)
,
(15)
.
(16)
(15)式より、
.
(17)
上式の両辺のそれぞれを二乗して、
.
(18)
上式に、(14)式と(16)式を代入すると、
b+c を求める3次方程式が得られます。
,
(19)
ただし、
,
(20)
,
(21)
および、
.
(22)
(14)式より、
.
(23)
(16)式より、
.
(24)
4, 係数 a, b+c, d, e の決定
係数 a は(13)式で得られます。係数 b+c は(19)式の3次方程式の実数解で得られます。
この実数解が3個のときは、そのうちの任意の1個を選びます。
この実数解を使って d と e が、それぞれ、(23)式、および、(24)式で得られます。
5. おわりに
前節で得られた係数を(7)式に代入して、この実質的に2個の2次方程式が決定されます。
これを解くことによって、(1)式で与えられる4次方程式の4個の解が求まります。
[註]以上の解法が真に有効か否かを現在検討中です。
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